Happy New Year Tokyo 2025
イベントレポート

Event Report

伝統と革新のプロジェクションマッピングで、2024年を締めくくる
Happy New Year Tokyo 2025 開催レポート

画像;都庁とイルミネーションが写った写真

東京都新宿区の西新宿エリア一帯で、ナイトタイム観光の活性化を目指す「TOKYO NIGHTTIME PROJECT」。その一環として、2024年12月31日に、大みそかのカウントダウンイベント「Happy New Year Tokyo 2025」を実施しました。

プロジェクションマッピングと花火による壮大な演出、各界で活躍する豪華出演者が盛り上げた、東京都庁 都民広場での特別な一夜。会場には、都民の方や外国人旅行者の方など、約3,000人が集まりました。本記事では、カウントダウンの様子をお届けします。

イルミネーション輝く西新宿で、カウントダウンイベントを開催

12月31日、西新宿の高層ビル街。夜が深まるにつれ、少しずつ街がにぎわってきました。東京都庁沿いの中央通りでは、全長約200mにわたるイルミネーションが街路樹を装飾。そばやラーメンなどのキッチンカーも出店しました。観光客で活気づく東京都庁 都民広場が、今宵行われる「Happy New Year Tokyo 2025」の会場です。

画像:イルミネーションの写真
画像:キッチンカーの写真
画像:キッチンカーから提供された天ぷらそばの写真
画像:人々が紙芝居をみている写真

「Happy New Year Tokyo 2025」は、2025年への年越しを、東京の魅力である「伝統」と「革新」を体感しながら楽しむカウントダウンイベント。メイン会場である都民広場で、一夜限りの特別なパフォーマンスが観覧できます。また都庁通りにはサテライト会場が設けられたほか、YouTubeライブ配信で誰でもイベントを楽しむことが可能です。

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夜9時を過ぎると、子どもから大人、外国人旅行者にいたる多くの参加者が、徐々に会場へと集まってきました。高さ243mの都庁第一本庁舎が、特設ステージの背後にそびえ立つ、非日常的な光景が期待感を高めます。

大みそかの夜を照らす、プロジェクションマッピングの演出

夜10時、第1部の開会アナウンスとともに、都庁第一本庁舎にプロジェクションマッピングが投影されました。都民広場では現在、東京の新たな観光スポットとして、プロジェクションマッピングを通年で上映しています。この「TOKYO Night & Light」における人気作品が、大みそかの第一本庁舎に映し出されました。ゲームやゴジラ、アイドルなど、日本が誇るカルチャーがモチーフになった作品群。多彩な映像が会場を彩ります。

画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真

さらに第1部の後半では、DJの田中知之さんが登場。田中さんは国内外で活躍する音楽プロデューサー・選曲家でもあり、自身のソロプロジェクト「FPM」名義で楽曲の制作も手掛けています。東京2020オリンピックの開会式・閉会式、パラリンピックの開会式では、音楽監督として世界中の観客を魅了しました。

クラブミュージックから昭和歌謡まで、古今東西の名曲が交差する、田中さんのDJプレイ。随所に散りばめられた「TOKYO」というフレーズで、会場に一体感が生まれます。なかには踊り出す参加者の姿も。高まる熱気が、冬の寒さを吹き飛ばすようです。

画像:DJの田中知之さんの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:DJの田中知之さんの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真

今井翼さんと振り返る、2024年の軌跡

夜11時15分からの第2部のオープニングでは、プロジェクションマッピングとともに伝統を感じさせる三味線のBGMが流れてきました。投影されたのは、美しい桜の木。ソメイヨシノの故郷とされる東京・駒込の桜がモデルになっています。そしてタイムワープの演出とともに、映像の舞台は江戸時代へ。浮世絵風の世界に描かれた一人の飛脚が、東海道や江戸の街を駆け抜けます。さらに明治、大正、昭和、現代へと時が移り、相撲や影絵、高度経済成長期の生活用品などが投影される中、飛脚は未来の新宿まで疾走。伝統と革新が融合したきらびやかな光景に、観客の目は釘付けになります。

画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真

オープニング映像が終わると、ステージにはゲストが登場。俳優・アーティスト・タレントとして活躍する、今井翼さんです。白の和装をまとった今井さんは、プロジェクションマッピングに対し「伝統と革新が融合されたプロジェクションマッピングならではの演出は、とても迫力があり、見応えがありました。特に印象的だったシーンは浮世絵です」と、感想を述べました。今井さんは、フラメンコや歌舞伎などの領域でも活動されており、ご自身も伝統と革新の融合に挑む一人です。

「20代の半ばでスペインに渡り、フラメンコに魅せられ、挑戦しました。その後、フラメンコの師匠が歌舞伎に出演していたご縁で、片岡愛之助さんの新作歌舞伎『GOEMON』を鑑賞。思いを愛之助さんに伝え、共演するようになりました。フラメンコと歌舞伎に共通するのは、伝統の上で新たなことに挑戦する姿勢です。私も二つの伝統芸能を吸収しながら、これからも俳優としてさまざまなことに挑戦したいです」(今井さん)

伝統を受け継ぎながらも、その場にはとどまらず、常に挑戦していく今井さん。東京の未来にも欠かせない姿勢だと感じました。

画像:今井翼さん登壇中の写真
画像:今井翼さん登壇中の写真
画像:今井翼さん登壇中の写真

DJと太鼓芸能、映像が織りなす、幻想的なパフォーマンス

続いてステージには、田中さんと太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」が登場。DJと太鼓演奏、プロジェクションマッピングが連動する、パフォーマンスが始まります。

鼓童は、太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能を、現代に再創造する集団です。1981年にベルリン芸術祭でデビューして以来、数多くの国・地域で公演を実施してきました。長年にわたる海外公演によって「Taiko」という演奏ジャンルを確立するとともに、国内では歌舞伎とコラボレーションするなど、まさに“伝統と革新”の体現者といえます。

田中さんによるアンビエントな楽曲が流れ始めると、ゆっくりと太鼓のリズムが響き始めるメインステージ。徐々に客席を巻き込むように音が広がります。その後、鼓童による大迫力の太鼓パフォーマンスが開始。笛の音色が美しく流れる『さすらい』、力強く重厚感のある『兆(きざし)』が演奏され、響き渡る鼓動は絶頂に達します。そして田中さんのDJも再び加わり、近未来的なサウンドと伝統音楽が融合。革新的なグルーブ、三三七拍子のリズムが、参加者を高揚させました。

画像:田中さんと太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の演奏中の写真
画像:田中さんと太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の演奏中の写真
画像:田中さんと太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の演奏中の写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:田中さんと太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」の演奏中の写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真

1年を締めくくるにふさわしい、音と光の幻想的なショー。祝祭的なムードにより、客席とステージが一つになりました。

2025年の東京にむけた小池百合子都知事の思い

パフォーマンス終了後、小池百合子東京都知事が登壇。「Happy New Year Tokyo 2025」に対する思いを語りました。

「年越しの瞬間を皆さまとお祝いできることを、大変楽しみにしてきました。ギネス世界記録にも認定された都庁のプロジェクションマッピングでは、東京が世界に誇る「伝統」と「革新」を皆さんに楽しんでいただけたと思います。さらに都内の各地でも、イルミネーションなどを活用した多彩なイベントが催され、夜の賑わいが面的な広がりを見せています。来年も東京の魅力を力強く発信し、国内外の多くの方々の心を惹きつけ、東京の更なる発展につなげていきたいと思っています」(小池都知事)

その後、今井さん、鼓童のメンバーもステージに登場。今井さんは、「田中さんと鼓童のコラボレーションは、日本人として心躍る時間でした。間もなく始まるカウントダウンに、私もワクワクしています」と高揚感を語りました。

画像:小池都知事登壇中の写真
画像:小池都知事登壇中の写真
画像:小池都知事登壇中の写真

期待が高まるカウントダウンと、未来にむけた参加者の願い

年越しが目前に迫り、いよいよカウントダウンの時間です。都庁第一本庁舎に投影された映像は、「デジタル絵馬」。事前に応募いただいた、『あなたが2025年に叶えたいこと』が描かれています。カウントダウンを目前に、「ひとつの地球へ」(鼓童)、「音楽を通じて世界を幸せに」(田中さん)、「健康第一」(今井さん)、「東京がもっと輝きますように」(小池都知事)と、登壇者の願いも映し出されました。

画像:都庁のプロジェクションマッピングで絵馬が映し出されている写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングで絵馬が映し出されている写真

そしてプロジェクションマッピングで表示される数字、2024年の干支である辰が空に飛び立つと、MCの掛け声を合図に、今井さん、鼓童のメンバー、小池都知事、そして参加者が声を揃え、「3、2、1……」とカウント。時刻が0時になった瞬間、「Happy New Year 2025」が映し出されました。さらに高々と花火が打ち上がり、参加者からは大歓声があがります。会場のムードは最高潮です。

画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングを見ている観客の写真

興奮の最中、登壇者の皆さんも、今年の抱負を述べました。

「私たち鼓童は、今年も太鼓の力を通して、日本中、世界中がより良くなるように、力を尽くします」(鼓童)

「今年も支えてくださる皆さまに感謝して、自分の挑戦を続けていきたいです。よろしくお願いします」(今井さん)

「今年も首都・東京として日本を盛り上げながら、皆さまの豊かな暮らしのために取り組んでまいります。2025年が皆さまにとって、素晴らしい年となることを、心よりお祈りしております」(小池都知事)

その後、都庁第一本庁舎には、応募者から寄せられた「デジタル絵馬」が再び投影されました。「家族全員が健康でいられますように」、「志望校合格」、「笑顔のたえない新年」、「夫婦仲良く幸せいっぱいに暮らせますように」など、2025年に向けたさまざまな思いが浮かび上がります。また、「Chúc Mừng Năm Mới!(あけましておめでとう!)」「Return to Japan soon(すぐに日本に戻ってくる)」「Grace & Peace(恵みと平和)」など、外国人からのメッセージも数多く集まりました。

画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真
画像:都庁のプロジェクションマッピングの写真

東京のナイトタイム観光の魅力を、もっと多くの人と共有したい

当日会場にお越しいただいた参加者の皆さんに、今回のイベントの感想を聞きました。

「都民広場のプロジェクションマッピングを数回見ており、ぜひ大みそかも鑑賞したいと参加しました。テクノ、ハウス調の音楽に、和の世界観が融合した今回の作品が、気分を高揚させてくれました。東京のナイトタイム観光は、多くの外国人が訪れるきっかけになっており、盛り上がっていると感じます。今後も期待したいです」(豊島区在住)

「以前にも都民広場のイベントに参加したことがあり、今回はカウントダウンを楽しみたいと、家族で応募しました。プロジェクションマッピングや花火を間近で見られ、予想以上の迫力でした。娘が12歳で巳年ということもあり、良い年にしたいと思います」(青梅市在住)

「生でプロジェクションマッピングを見るのは初めてでした。ダイナミックな音楽、立体的な演出が最高です。特に印象に残ったのは、ゴジラの作品。巨大なスケールに圧倒されました。今年も素敵な一年になりそうです」(町田市在住)

「SFのような世界、レトロな東京など、さまざまなモチーフが重なる空気が素敵でした。日本の大みそかは、おとなしく過ごすのが主流のように感じますが、今回のような大音量の音楽、アート感のある演出にも魅力を感じます。もっと多くの人にイベントを知ってほしいです」(台東区在住)

江戸から続く歴史を礎に、進化を遂げる国際観光都市へ

こうして「Happy New Year Tokyo 2025」は無事に終了。主催者である東京ナイトタイム魅力創出プロジェクト実行委員会の担当者は、「伝統と革新の融合は、東京の最大の魅力のひとつ。江戸時代からの歴史を礎に、常に進化を遂げてきた東京は、今日も世界中の人々を惹きつけます。この力をさらに高め、国内外から多くの方にお越しいただくことは、経済や文化の発展、国際的な観光都市への成長にもつながるでしょう。そして何より、多くの方々に、『Happy New Year Tokyo 2025』を通じて素敵な一年を過ごしていただきたいという思いがありました。今後もナイトタイム観光の強化を通じ、新しい東京の魅力を発信していきたいです」と、イベントを振り返りました。

TOKYO NIGHTTIME PROJECTを通じて、東京のナイトタイムの魅力はさらに高まりました。今後も世代や国境を越え、さまざまな人で賑わうことでしょう。これからも東京の魅力の創出に、ぜひご期待ください。

画像:登壇者の集合写真